
前向きな言葉の意味とは少し違うような気がするのは私だけでしょうか。
先頃行なわれたMLBのオーナー会議で、ビデオ判定の適用範囲が大幅に拡大されることが決まった。
今シーズンから導入される新ルールでは、ビデオ判定はストライク、ボールの判定以外のほぼ全プレーに適用されて、両軍監督が各1回のチャレンジ権を持って試合をスタート。権利を行使して判定が覆ったときにはチャレンジ権は消費されずに、次にまたチャレンジできるというシステムだ。ただし、1試合で最大2回までしか権利は使うことができない。number web
ATPツアー(テニス)には、2006年から導入されているビデオ判定の仕組みは、「ホークアイ」という10台のカメラがコートのまわりを取り囲み、瞬時にボールの軌跡を判断するというもので、軍事技術が導入されているようです。1セット3回まで可能で、チャレンジ成功の場合は、もう一回申告可能。チャレンジ失敗の場合は、残り2回に減るというものです。これはある意味エンターテイメント性も狙ったもので、いまでは特に不思議のない判定システムになったと思います。
メジャーでビデオ判定は必要か
そしてこの改革の大きなポイントになるのは、ビデオ判定になったら当該の球場でジャッジをしている審判員ではなく、ニューヨークに設置されるリプレイ・コマンドセンターというところで判定が行なわれるということだ。そこでは4人の審判員が待機してリアルタイムでビデオを検証。球場の審判員はヘッドセットで連絡を取って判定を仰ぐ。そしてこのリプレイ・コマンドセンターのジャッジが、最終的なものとなる。
要は現場の審判の権威は、そこではすべて消失することになるのである。
そこまで言わんでもという話ではありますが、「人間だもの」というあいだみつをの詩が頭をよぎります。
多少のミスというか、人間的迷いがあってのスポーツエンターテイメントの要素もあると思うのですよね。100%システマチックになることも、良し悪しがあるのではないかと。
そうそう、なんでもかんでもコンピュータに任せたらできるってなものでもないでしょ!?
Oボール
現役時代の王貞治、長嶋茂雄は、その実績・カリスマ性により、選手は勿論審判まで特別扱いしていた、というもの。きわどいコースのボールを王が自信満々に見逃した場合、「“世界の王”が見逃したのだから」と、ボールと判定される例が多かったとされ、「王ボール」とも呼ばれた。(wiki)
もちろんこんな1球毎のビデオ判定はないのですが、当時の絶対的なスーパースターだからこそ、まつわる都市伝説のような話もあったわけですね。これはこれで、味があるじゃあないですか。そんな時代もあったねと。
はたして、ATPツアーのようなエンターテイメント性につながるのでしょうか、1年後にはNPBにも導入されるでしょうから、経過を見守りたいと思います。